宇宙の大きさ

宇宙の長さ

地球から宇宙の端っこまで、一体どのくらいの距離があるのだろう。

宇宙の端っこは、光の速さ( 3\times 10^{10}  \mathrm{cm/s} )でぼくたちから遠ざかっている。
そして、宇宙が生まれたのは、今から137億年前のことだと言われている。

だから、今現在、ぼくらから宇宙の端っこまでの距離は、
L_{\mathrm{uchu}} \sim  137 \times 10^8  \mathrm{(year)} \times 3 \times 10^7 \mathrm{(sec/year)} \times 3 \times 10^{10}  \mathrm{(cm/s)}
すなわち L_{\mathrm{uchu}} \sim  10^{28}  \mathrm{(cm)}
だということになる。

宇宙の大きさ

じゃあ、大きさはどのくらいだろう?
ぼくたちの生きる世界は三次元空間に時間の次元があるだけだ。
だから、長さの三乗が、大体の大きさになる。
つまり、
V_{uchu} \sim L_{uchu} ^3 \sim 10^{84}  \mathrm{(cm^3)}
ということになる。


え?形によって大きさが変わるんじゃないかって?
ふむ。たしかに。
宇宙の形は、球だろうか、それとも立方体、直方体だろうか?
少なくとも、ぼくたちに見える宇宙の形は球に近いと思われるけれど、上の計算ではそのことは考慮していない。
具体的な形は、だいたいの大きさを考えるときはそれほど重要じゃないからだ。


あなたが昨夜の睡眠時間を尋ねたときに、8時間寝た人に10時間寝たと答えられたら、それはちょっと違うんじゃないかと思うかも知れないけれど、
10時間10分を正確に10時間10分と答えられると、いや、そこまで詳しくなくても、とあなただって思うに違いないのだ。


上の計算でも、だいたい同じことがいえる。
形を球だとすれば、確かに大きさが\pi倍程度に変わる。
でも、ぼくはこう思うのである。
いや、そこまで詳しくなくても、と。


ともかく、これで、宇宙の大きさが分かった。

宇宙の濃さ

宇宙はどれくらいの濃さでものがあるのだろうか。
満員電車みたいにぎゅうぎゅうにものが詰まっているのだろうか、それともスカスカ、深夜の研究室みたいになっているのだろうか。


宇宙にはたくさんの銀河がある。
ある銀河からその隣の銀河までは、光の速さで平均的には、およそ1000万年かかる。
つまり、二つの銀河の距離は、指数だけに注目して
L_{\mathrm{dis}} \sim  10^{10}  \mathrm{(cm/s)} \times 10^7 \mathrm{(year)} \times 10^7  \mathrm{(sec/year)} \sim 10^{24} \mathrm{(cm)}
ということになる。
途方もない長さだけれど、このくらいの距離を隔てて、銀河は宇宙に浮かんでいる。


さて、この式の見方をちょっと変えてみよう。
一辺L_{\mathrm{dis}}の大きさの箱の中に銀河が一つある、とも読み取れる。
すると、銀河は、V_{\mathrm{galaxy box}} \sim L_{\mathrm{dis}}^3 \sim 10^{72}  \mathrm{(cm^{3})} にひとつある、ということになる。


銀河ひとつの重さはおよそ10^{43} \mathrm{(g)}だから、結局重さで宇宙の濃さ(質量密度)を表すと、
\rho _{\mathrm{uchu}} \sim \frac{10^{43}}{10^{72}} \mathrm{ (g/cm^3)}= 10^{-29} \mathrm{( g/cm^3)}
ということになる。

宇宙の重さ

「宇宙の質量はどのくらいだろうか」


この疑問に答えるための手がかりを、ぼくたちはもうすでに持っている。
大きさと質量密度だ。
ふたつをかけ合わせたものが宇宙の重さになる。
つまり、
 M_{\mathrm{uchu}} \sim \rho_{\mathrm{uchu}}\times V_{\mathrm{uchu}} \sim 10^{55} \mathrm{( g)}
ということなる。


ぼくたち人間の質量は10^5 \mathrm{( g)}くらいだから、人間10000000000000000000000000000000000000000000000000000000人分の重さ、

太陽の質量はおよそ10^{33}(\mathrm{ g})だから、星だとだいたい10000000000000000000000個分の重さになる。

宇宙でけぇ!


およその計算で宇宙の重さがわかった。
もちろん、適当に計算しているので実際の指数は 50 - 60 位の間でのズレはあるものとして考えて欲しい。

質量密度について

ちょっと詳しい人は、宇宙の臨界密度について調べると面白いと思います。