惑星の軌道移動

惑星の軌道移動

原始惑星系円盤と呼ばれる分子雲が収縮し、中心にコアとしての恒星を持つガスとダストでできた円盤の中で惑星は生まれる。
初期(1980頃)には、その場でダストが成長し惑星になって今に至ると考えられてきたが(Kyoto model)、現在では、惑星は形成段階から円盤との相互作用や他の惑星との相互作用によって軌道移動することがわかってきた。

軌道移動の種類

円盤との相互作用があるかないかによって大別される。

Migration

円盤との相互作用の中で(原始)惑星が軌道移動すること。

惑星同士の重力散乱

三体問題などに現れる、軌道の不安定性に由来する軌道移動。
とくにKozai Mechanismは、軌道傾斜角と軌道離心率を説明する上で重要となる概念。

Migration

Type I Migration

~10地球質量に満たない惑星が円盤にできたdensity spiral waveと呼ばれる密度波からのトルクによって軌道移動すること。内側だけでなく、外側に移動する可能性も示唆されている。diskの温度構造、トルクの非線形性が大きく影響するため、非線形かつnon-isothermalな計算が必要となる

Type II Migration

~10地球質量より大きな惑星は、自らの重力圏(Hill radius)の円盤ガスを食べつくし円盤にギャップを形成する。その後円盤が中心星に降着する中でギャップとともに中心星方向に惑星が移動すること。
Transitional diskの原因の候補。

Type III Migration

Type IとType IIとの間のようなもの。
詳しくはまだ知らない。

重力散乱

・共鳴軌道
・Kozai mechanism
・大質量のものの離心率・傾斜角の減少